100円ビールの舞台裏 サントリー"英断"の波紋(産経新聞)
今、気になっていることは「有料老人ホームはどのような施設ですか」ですがこんなニュースがあります。

【ドラマ・企業攻防】
ジュースよりも安い1缶100円の「第3のビール」が、波紋を広げている。
サントリーが生産し、イオンとセブン&アイ・ホールディングスの流通2強が、それぞれのPB(プライベートブランド)から先月24日に発売した。
節約志向を追い風に出足は好調だが、その分、サントリーも含めたメーカー製品は売れなくなる。
業界のタブーを破り、PB生産に手を染めたサントリーには他社から怨嗟(えんさ)の声が上がる。
同社とキリンホールディングスの統合交渉にも影響を与えそうだ。
■2倍、3倍の勢い
「最も売れている大手メーカー製品の約3倍の売れ行き」(イオン)
「販売は当初予想の2倍」(セブン&アイ)
流通2強は、してやったりの表情だ。
最も売れているキリンビールを筆頭にビール業界にとっては、おもしろいわけがない。
「1年以上前」。
2強は、サントリーとPB開発の協議を始めた時期についてこう口をそろえる。
そのころサントリーは、平成20年に達成した46年目にして初となるビール事業の黒字化と万年最下位からの浮上に邁進(まいしん)していた。
出荷量を上積みできるPB生産を受け入れる素地は十分にあった。
2強がそろってサントリーに白羽の矢を立てたのは偶然ではない。
サントリーは「守秘義務」を盾に経緯や商品の中身について口をつぐむ。
だが、"二股(ふたまた)"をかけていることを相手に知られないよう情報管理などに細心の注意を払ったことは想像に難くない。
業界関係者は「さすがに大阪商人。
2強を手玉に取るとは、実にしたたか」と舌を巻く。
もっとも、6月ごろには2強側もサントリーの二股を察知したようだ。
その腹いせなのか、イオンは6月29日に、サントリーに通告することなく、一方的に発売の記者会見を開いたという。
先を越されたセブンも大あわてで資料を作成し同じ日に発表するなど、水面下での3社の激しい駆け引きをうかがわせた。
■渦巻く怨嗟の声
イオンは年3000万本(350ミリリットル缶換算)の販売を見込み、セブン&アイは3600万本が目標。
合計で200万ケース(1ケース=大瓶20入り)に相当し、サントリーのシェアを0・3?0・4ポイント程度押し上げる効果があるとみられる。
今年1?6月のビール類市場のシェアは3位のサントリーが12・7%で、4位のサッポロビールは12・1%。
差はわずか0・6ポイントでいつ再逆転されてもおかしくない。
自社製品への影響を差し引いても、圧倒的な販売力を誇る2強と組むメリットは大きい。
これに対し、ビール業界では怨嗟の声が渦巻く。
「自社ブランドとの食い合いなど泥沼に陥りかねない」(サッポロビールの福永勝社長)
「PBをやるつもりはない。
アサヒでなければという商品でなければ意味がない」(アサヒビールの長尾俊彦取締役執行役員)
なかでも心中穏やかではないのが、サントリーと統合交渉を進めるキリンホールディングスだ。
加藤壹康(かずやす)社長は「キリンブランドの強化が最も重要で、PBを供給するつもりはない」と、一線を画す。
■統合交渉にも影響?
影響は消費者がPBに流れるだけにとどまらない。
2強がPBの売れ行き好調で証明された消費者の低価格志向を理由に、メーカー製品についても値下げ圧力を強めるのは必至だ。
さらにサントリーが2強以外の流通企業にもPBを供給する可能性があるうえ、ビール業界には「第2のサントリーが出てくるのでは」との疑心暗鬼が広がっている。
2強側は「メーカーもいろいろ変わるだろう」(イオンの久木邦彦執行役)、「メーカーの姿勢も柔軟になるのでは」(セブン?イレブン・ジャパンの鎌田靖常務執行役員)と、手ぐすねを引く。
キリンとサントリーが統合交渉に入った大きな理由の一つに、業界再編で先行し、規模をバックに圧倒的な「バイイングパワー(購買力)」を手にした2強への対抗がある。
流通に奪われた価格決定権の奪還は、ビールメーカーだけでなく食品業界全体の悲願だ。
だが、2強は消費者の支持を大義名分に、PB開発や卸を通さない直接取引などで、業界を巧みに切り崩してきた。
サントリーの英断が、キリンとの間に微妙な亀裂を生み、今後の交渉に影を落とす可能性もありそうだ。
(小熊敦郎、今井裕治)
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最終更新:8月8日23時1分
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